スウィートにもいろいろ ~ ローズピンクのチーク

鈴木祥子「SWEET SERENITY」、ローズピンクのチーク(my mama said, so)、より。

買ったばかりの服で眺めてた、 ベビーカーと買い物袋。

白いワンピースに、ローズピンクのチーク。

世間並みのことができない、 世間並みがあたしをいつか見放していく。

結婚はお葬式のときにとなりに居てくれるひとがいること、 my mama said so.

 

 1) この歌詞から、「とどくかしら」をふと思い出したのでした。 今から17年前のアルバム「Hourglass」(1991)の1曲。 (SHO-CO-SONGS Collection2に入るのかな?) 晴れた日には花を買って 自転車にのって散歩しよう イトーヨーカ堂のマタニティドレス着て 夕方の街を歩きたいな 川村真澄さんの作詞から独り立ちして、彼女自身の作詞作曲(編曲は小林武史)。 とても具体的ですよね。 それに、とても幸福な日常の風景。 この頃に彼女が描いてた風景は、ひとつの「しあわせ」像だったのかもしれないと思うと、今回の曲でも「しあわせ」のかたちの象徴なのかもしれません。 「"結婚"はお葬式のときに、となりに居てくれるひとがいること」というフレーズを聴いたときに、なんだか胸がきゅっとした。 スローテンポな中で、己の死に寄り添う存在がいる「しあわせ」を歌いきってしまうとは。

2) そういえば、私の中では、年齢を重ねてもどこか少女性を持ち、スウィートな歌を歌うアーティストとしては、Charaさんが挙がります。 彼女は1968年生まれなので、今年40歳代ということですね。 (年齢をあれこれ言うのも表現の幅を狭めてしまいそうなのですが、 鈴木祥子さんの今回のアルバムでは特に際立つものですので敢えて。) Charaさんは作詞作曲もし、ピアノ・ギターもこなす個性のあるアーティストだと思います。 結婚・出産(ダンナさまは浅野忠信)を経て出した、代表作ともいえる「Junior Sweet」での幸せ全開ぶりも好きではありますが、今なおファンタジックな曲調の中にどことなく切ない、さびしさ、何かを希求している"うた"であり続けているように思います。 (独身時代の作品も好きですが)。

 

貪欲な心にうたをなげかけてよ 私の輝きはどれほどか それは透明になって キラキラだ。 夜空に ここがあらわれたよ 「こんなにも遠いんだ」 届かないのよ 追いかけて影を どこまでも続けばもう・・・ 影を影を認めたい 影を影をどこまで続けばもう 影を影をみとめたいんだ こんなに近いのに 遠いんだ あなたは私の悲しみ からっぽになる前に ふたをして - 光と私 Chara

Charaの歌詞は抽象的だったりでなかなか難しい。。 メロディとあのウィスパーボイスで彼女のカラーがあって、ひっくるめて好きって部分もあります。 彼女自身おしゃれさんだし。 2人のお子さんも大きくなってきて、「honey」では上の娘さん(思春期かな?)に向けてのメッセージも込められているとか。 それぞれこのアーティスト2人のもつSWEETさが違うだけに、味わいかたもそれぞれ。 どちらもキャリアとして20年近く曲を発表し続けているのですから、これからどんな風になっていくのでしょう。 (追記) 後から知ったのですが、2006年のライブで鈴木祥子さんはCharaの「タイムマシーン」をカバーしてたんですね。