「働くママ専業ママ子どものためにどっちがいいの?」

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働くママ専業ママ子どものためにどっちがいいの? 三沢 直子 著

この本は前に見かけていましたが、図書館で見つけたので読んでみました。 もともと表題は「働くママ VS 専業ママ」とつける予定だったそうで(あとがきより)、働くことに躊躇しているママたちが思わず手にとりそうなタイトルですよね。 しかもサブタイトルが「子どものために」。

 

子どもを預けて働くことに罪悪感を感じがちな母には気になってしまうフレーズ。 いろんなレビュー見ても、あまりいい評価がついてないのもその指摘は納得できる点もあります。 著者自身が働く母ということもあり、全体的には「働くほうがいい」を押しており、裏付けとなるような統計データや臨床心理士としての捉え方を全面にだしていたりします。 そのあたりは差っ引くとしても、そんな中でも気になるポイントはいくつかありました。

 

◆専業ママをできるのは、真に自律的な人だけ  →これには正直どうかわかりません。裏を返して自律的でないなら働いたほうがいい、という言い方にもならないと思う。ただ、長い子育て人生、夫婦人生の中で子育てだけで空の巣症候群にならないような「ライフワーク」が必要なのかなと思います。受動的に与えられたことを素直にする「だけ」にならないということなのでしょうね。

◆親になる教育・トレーニングがない  →これはよくメディアでも触れられてますが、核家族化により、小さい赤ちゃんに接したこともお守りをしたこともない、という現代。まずは親が子どもに家事・育児との関わりを作ってあげること、自分たちの姿を見せることがベースなのだと思います。思い返しても学校教育でそういう触れ合いって限られていたなと思う。今の学校では少し違ってきている・・・?

◆母親一人がどんなにがんばっても、子どもの社会性や人間力などを十分に育てることはできない  →「何でも母であるわたしが」と意固地になると、子どもはいづれ親から外の世界へ活動を広げていく中で、母自身の思い通りにならないことが許せなくなるかもしれないですね。

◆マザーリングはパパでも他人でもいい  →他にゆだねる、信頼する、ということも大事なのだと、出産して子育てする中で実感しています。 twitterでフォローさせていただいている @kobeniさんの寄稿も大頷き。 「人は、気が変わる」ということ―“専業主婦VS働くママ”の終わり by kobeni (・・・文章上手だなあ。) 「女性も結婚、出産しても働く【べき】」「出産したら母親が子どもをそだてる【べき】」 それらは誰かの信念であり思想であり、時代背景はそれらを積み上げてきた産物ではないか。 隣の女性が働いていようが、専業主婦で子育てしていようが、それは彼女のポリシー。 では、自分自身は「どうありたい?」に尽きるし、それを実現するためのパートナーや周囲との調和は自分自身の課題だし力になるものかなと思います。 それに、いつ自分や家族たちの転機によって、働くことに、あるいは辞めることになるかはこの先分からない。自分の老いや病気もしかり。 ずっと安定状態でいられるわけでない、ということを知って柔軟に生きていけたらいいなと思う。 だから数ある育児書やワーキングマザー、働く女性のための本というのも、あくまでも"参考"図書なんだなと思いました。