「父親になるということ」藤原 和博

藤原 和博 (著)

子育ては、父親になるための1000本ノック!次々に投げかけられる子どもの「問いかけ」が、あなたを「子ども好きの大人」から「父親」にする。成熟社会(=正解のない時代)の父親像を示したと話題の書を文庫化。

 

パパワークpapawork.jpでおすすめ図書で見かけて、書店で見かけたので読んで見ました。 【書評】『父親になるということ』/幻想、呪縛を解き放て!父親としての自分自身を振り返る機会に。

 

藤原さんのことは「都内では義務教育初の民間人校長」ということで名前を留めていなかったけれど「あぁ確かそんな校長先生がいたな」という程度でした。 サラリーマンの私が、父親になって初めて息子と面と向き合って対話することで、新しい"父性"に目覚める自己発見の物語 実は、子どもを身ごもり産んだら「母親」という立場にはなるけれど、一体"母性"とか"父性"って何だろう?何をどう手にして獲得できるのだろう、と素朴な疑問があります。 幼い子どもの言葉を書き留めたお父さん、その言葉の意味することをあらゆる想像をつかって考えてみるお父さん。 子どものため、と信じながら、実は「自分にとってよい」ため、ということで勘違いしていたと気がつくお父さん。 その「はっ」という気づきを自分の成長への糧としていくお父さん。 そんな姿がこの本で見られるお父さんの姿でした。 赤ちゃんのオムツを替えること、お風呂に入れてあげること、本を読んであげること、一緒に出かけること それが「イクメン」のイメージ、「イクメンになるには」と語られやすい導入部分ではあると感じますが、 そういうことを介して我が子と触れ合い、自分が一体何を感じ、何が家族と自分の幸せの道なんだろう?と自問できる人は方法論だけではないときっと気がつくのでしょう。

この本の中で、藤原さんの奥さんの「かおる」さんとの考えや意見の食い違いが顕著に記される場面があります。 また、かおるさんからの手紙、「こうしてほしい」という言葉を真摯に受け止めてみる、というところは印象的です。

文庫版の「はじめに」の冒頭には ひとことで言えば、子育てに「正解」はない、ということ。 それを頭ではわかっていても、いろんな局面で悩んで「正解」を求めてしまう自分。 人に聞いてもネットで調べても本を読んでもそれらしき「答え」がもっともらしくあったりする。 でも・・・

みんな学校で習ったこともないこと、親からもきちっと教わったわけではないことに挑戦しているんだということ。立派に子育てしているように見える人でも、右往左往しながら試行錯誤していることを知ってもらいたかったのです。

 

試行錯誤しながら生きてるはずなんだけど、育児はこと「あたりまえのように親としてやれる」と錯覚しがちなんだなーと感じてます。一度だって子育てしたことなかったのにね。 これは男性だけに限らず読んでみるといいと思います。イクメン指南書ではなく。夫育ての本でもなく。