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day's eye & lily

つぼみも満開も枯れた花も

日本の子どもたちの自尊感情はなぜ低いか

日本の子どもの自尊感情はなぜ低いのか 児童精神科医の現場報告(光文社新書)

 

イー・ウーマンメールマガジンに目を通していて、児童精神科医である古荘純一さんの著書にこういう新書があることを知りました。 図書館にも蔵書があり、手にとってみました。

 

日本語の子ども版QOL尺度の開発に関わり、調査を行ったところ、多くの子どもたちが自分に自信がなく、自分自身や学校などの満足度に関する質問に対し下から2番目の「ほとんどない」という答えを選択していることに衝撃を受ける。5段階の下から2番目が「標準」となっている日本の子どもたちの心の現状。ユニセフの調査でも、日本の子どもの主観的な幸福度は、他国と比べて突出して低いことが報告されている。 本書では、調査結果や診療・学校現場での豊富な事例をもとに、自尊感情という視点から、子どもたちの現況を見つめ直す。

 

 

  • 第1章 注目のキーワード「自尊感情」を問い直す
  • 第2章 子どもの精神面の健康度を測る―QOL尺度の開発
  • 第3章 自尊感情が低い日本の子どもたち
  • 第4章 なぜ子どもたちの自尊感情が低いのか
  • 第5章 専門外来で診る子どもたちと自尊感情
  • 第6章 学校現場で子どもの心の問題をサポートする
  • 第7章 社会・教育病理現象と自尊感情
  • 第8章 子どもとどう関わったらよいのか?

 

 子育て真っ最中の身として、よく"子どもの自己肯定感を高めてやる"、"ありのままの子どもを認める"、"ほめて伸ばす"、が大事なことだとアドバイスなど目にすることがあり、なんとなくでも、それは子育て論の正解のように私自身も受け取っている面もあります。でも、言葉で言うのは易く、現実は何たることか…というのも率直に言うとあります。 そんなところでこういう本に関心をもってみたのですが、「子どもの」とありつつも、「親自身の」につながるものではないかと思ったからです。

 児童虐待の中でも心理的虐待・面前DVが増えているというような調査結果も出ていたり、"毒親"、"毒母"告白がこの頃、書籍や雑誌で特集されていたりして、子どもの自尊心は長く暮らしていく親との関係によるところも多くを占めているのかもしれません。 第4章にて、「なぜ子どもたちの自尊感情が低いのか」という問いかけに、親自身も高くないのではという著者の考えも含めた項があるのですが、子どもたちのQOL調査を通じて(高校一年生までの調査結果)、自尊感情が低いまま社会参加したり、家庭で子育てを行うことになると自尊感情は回復しないのではないかと。

 8章では「子どもとどう関わったらよいのか?」1.子どもの話に耳を傾ける、2.子どもの自尊感情・発達という視点を持つ、3.まずはお母さんが、そしてお父さんも自己を肯定する、4.親の期待を押しつけず、子どもを肯定的に受け止める、5.子ども自身が目標、希望を持てるようにする、6.自尊感情は低すぎず、高すぎず、7.規則正しい生活習慣の確立を、8.大人がみんなで子どもを育む社会を目指す

そのような捉え方の中で、3にある、"お母さん、お父さんも自己を肯定する"という部分が基盤を支えていくのではないかと思う。

 

自尊感情が高ければ、逆境に強いということになります。子育ては、楽しいことばかりではありません。時には、孤独感や自己犠牲を伴うものです。そんなとき自尊感情が低いと、「何でこんなにつらいのだろう」「この子がいなければ楽なのに」などのネガティブな考えが浮かび、子育てが困難になってしまいます。 お父さんがお母さんを肯定的に見てあげることで、お母さんの気持ちはずいぶん変わると思います。同時に、お母さんがお父さんを肯定的に見てあげることも大切です。 (略) 夫婦がお互いを肯定的に見るためには、社会でも肯定的に見られることが必要です。