産褥記 産んだらなんとかなりませんから!

産褥記 産んだらなんとかなりませんから!

吉田 紫磨子 (著), 吉岡 マコ (監修)

帯裏:

「赤ちゃんとの楽しい生活が待っているはず♥」と産んだら・・・・・・大変だった! 産んですぐから1か月の間の汗と涙の記録。 産後の悩みによく効くエクササイズも収録。

産褥期養生チェックシート付き!

 

「産褥記」はもともとはNPO法人マドレボニータによる発刊によるもので、現在は「産褥記3」まで出ているのですが、この産褥記はKADOKAWAからの書籍化となったとのことです。

実は産褥記、産褥記2はまだ読めていなかったのですが、産褥記3(後述)は昨年出版されて産褥期の体、男性の関わり方、産後ヘルプについててんこ盛りな内容。とうに出産・産褥を終えた身ではありますが、自分の産後も反芻(牛のようだ)しつつ、読んでおりました。

 

私とNPO法人 マドレボニータとの出会いについてはこちら。

daisylily.hatenablog.com

 

私の手元には、2冊+1冊の育児日記があります。

2冊は、産院でもらったノートで、出産してから数ヶ月分の24時間が書き込める形式。2回出産の分。

もう1冊は、その数ヶ月分の枠を書き終えた続きとして、第一子の時に書き込んでいたもの。・・・下の子の時には(略)。

そんな育児日記、ほんとまあ、赤ちゃんのこと、排泄、授乳、睡眠、離乳食、成長ぶりについて書いてあるのですが、自分の体のことや心のことってちっとも書いてありません。確かに、"育児"だから目の前の赤ちゃん、子どものことが中心になるわけですが。

24時間の書き込みには、慣れぬ赤ちゃんの世話ながら、左右両乳を何分ずつ飲ませとか、何回便をしたとか、ずらり。たぶん、自由記入欄が小さいせいもあり、将来この子がきっと見る(かもしれない)という見栄もうっすら頭にあって、母親自身のろくでもないことは書かなかったんだと思います。当時。

(あ、保育園を見学しに行ってってのは書いてたけど、復職時期や預けることに悶々とした中身もない)

 

 この「産褥記」はむしろ、出産を終え、子どもを迎えた生活がはじまる時期(※産褥期とは分娩後、母体が妊娠前の状態に回復するまでの期間のこと、この本では産後1ヶ月間について記録されています)の「母親自身の心身、そして家族、周囲のサポート」のことなんですね。

 

過ぎ去った自分の産褥期はそれは熱さすぎればなんとやらですが、紫磨子さんによる記録を読みながら、"自分ひとりが頑張ればいい"とかいう強烈な思い込みを手放すこと、産後の(自分が思っている以上に)傷んでいる体を徐々にリハビリしていき体力をもつ大切さを改めて感じました。

 

これは、一人目の時に抱いていた思い込みだったので、もう実際にできてない自分を目の当たりにし、自分よりもずっと慣れた手つきで可愛い可愛いとあやせる夫、慣れて余裕のある義父義母に卑屈になったかつての自分。復職したらしたで味わう、ままならない局面。でも、徐々に貸してくださる手のありがたさをしみじみ感じ、申し出てくれる言葉かけに、感謝を述べられる、お願いしたいことを卑屈にならずに伝えられる・・・

本の後半部にある考察にもあるとおり、「産後の心-委ねて、感謝する気持ちを学ぶ時期・・・・・・」とはこのことでした。

私にとってのこの本での共感ポイントとしてはそこになります。

 

できることなら、産む前にそんな委ねることを心に置いて、子どもが産まれた後のこと、少し先を見て、パートナーや周りの人と具体的にどうしていこうか、ということがととのうといいな、と思います(って過ぎてから言ってる身ですが)。

 

 

二人目出産の際には、実父母、義父母、夫とどんなふうな体制で出産を迎えるかを話しておきました。保育園の送り迎え、まだ1歳9か月だった娘の生活リズム‥

前日夕方から陣痛の間隔が短くなり、上の子を寝かしつけてから夫が帰宅し、病院に連絡して日がかわる頃に一人で病院に向かうことになりました。

義母が自宅に到着するのを待って夫とバトンタッチ、夫は病院に来ました。陣痛室で時折まどろみながら子宮口が開いてくるのを待っていたのですが、夜明けに朝日の差し込む中で二人目を出産しました。

 

前日と5日間の入院を経て退院し、義母は手紙を置いておいてくれました。最後には、(上の子と共に過ごし)"幸せな時間をありがとう"、とありました。こちらこそありがたいのに…。

そんな出産からちょうど丸5年になります。