石内都とキズアト
石内都さん、という写真家の作品を見ました。
1999年東京国立近代美術館フィルムセンターで行われた
きっかけは雑誌か新聞に出ていた個展の案内で、木村伊兵衛賞を
受賞した写真家だとかそういうことを知らずに行ったものです。
今年春にはツァイト・フォト・サロンで開かれた個展「INNOCENCE」で
久々に作品を見てきました。
モノクロの横須賀やアパートの写真も印象が強かったのですが、
人間、特に人の持つ老いであったり傷跡を撮った写真に強い印象を
受けます。それから、彼女の母親の遺品ひとつずつを写した『Mother's』。
...
過去、記憶、物語、事故、事件、病気、戦い、そして痛ましい肉体の思い出。
傷にはネガティブは連想がうずまいている。傷なんて見たくない。が、しかし
それらのすべてを踏まえてもなお、眼に見える時間の記録、手で触れる
記憶の断片として皮膚にのこる傷の跡は、私に計り知れないエネルギーを
与えてくれる。時に抱きしめられたからだ、時の器として命を包む皮膚に受けた傷。
私はこの上もなく愛しい人のように傷達を写真に撮る。
石内 都「キズアト」
昨年暮れに亡くなった祖母の皮膚を思い出す。
大切な人の病気との闘いの跡について思いをめぐらす。
そして母親の手。
Zeit-Foto Salon - Miyako Ishiuchi [ INNOCENCE ] : 2005/5/21/-6/18開催された作品展 Photo 365 MAGAZINES - 石内都インタビュー