FRESH
猪本典子さんの本をもう一冊購入しました。
1997年に出版された、「FRESH 」は
花をはじめとしたアレンジメント(デコレーション)の写真と
"花を生ける"ことについてのエッセイがバランスよく
載っていました。
草木・花は好きで、フラワーアレンジメント教室も
覗いてみたことがあるのですが、なんとなく気がすすまない
理由がこの本で分かりました。
猪本さんは本でこう言っています。
「剣山を使いたくない」
「私が最も忌み嫌うことのひとつに、花の生け方を教えるという
教室などで、この生け方ならバラを5cmに切ってさしましょうとか
三角形に生けましょうとか、
・・・・・・
まるで花の個性を尊重しないような装飾主義がある。」
あ~そうか、
色褪せ、枯れてゆくことを否定するようなプリザーブドフラワーも
なんとなく受け入れられないのも、
「蕾から散るまで生きて変容していくもの」を生けないからなのだ。
つまりは、枯れる・腐る・死ぬということの排除
それは「美しさ」の定義としない ように思えてしまうから。
夜眠れなかったある日、庭から切ってきたまだ硬いカサブランカの
雌蕊と雄蕊を眺めてたことがある。
めしべはやがて濡れ、おしべの葯が膨らみ粉を帯びてゆく様は
艶かしかった。
花弁が汚れるからってむしっちゃうのはやっぱり不自然。
色々な用途や考え方があるけれども、この猪本さんの
生け方にはとても惹かれるものがありました。
と思ってたら、10年以上前に雑貨屋で買ったポストカードの
写真が本に載っていて、なんとも偶然でした。