「メス失格」対馬ルリ子
結構前に購入した新書。 ずっとカバーをかけていたので、改めてこの表紙はドキッとしました・・・・
第1章 ライフスタイルの変化とメス力の変化
第2章 自分へのハードルを上げすぎる女性たち
第3章 見た目だけのアンチエイジングでいい?
第4章 身体に無頓着な女性たち
第5章 自分のメス力を守る女性検診
第6章 女性外来は女性のための保健室
先日、NHKの特集で「産みたいのに 産めない~卵子老化の衝撃~」という番組が放送になり、その前にクローズアップ現代で取り上げられたら大反響だったそうです。 女性だけでなく男性に原因のある場合の不妊、というのも取り上げられていたわけですが、注目されたのは「卵子は老化する」ということだったようです。
妊活.net[レポート:なぜ日本だけが世界と違うのか?妊娠と不妊治療に関するホントの事情]
このページからリンクされている「イタリア・ローマ発国際学会海外レポート」のページにも「不妊症の知識が少なく、オープンに相談をしない国民性が治療のネックに」とありました。
例えば、女性の妊娠率は30代半ばを境に下がりますが、「40代の女性は30代の女性と同じ確率で妊娠できる」と誤解している人は全体の半数ほどいて、「女性の肥満が妊娠の可能性を下げる」というリスクに関しても、知っていたのは全体で3割のみ。日本では2割の認識度にとどまっていました。 (イタリア・ローマ発国際学会海外レポート)
このあたりはNHKの番組でも取り上げられていた内容と近いのですが、知識が低いというのが傾向としてあるのですね。 「妊娠や出産」だけでなく、女性が女性自身の身体を知るということに対して意識が低い、とこの「メス失格」で対馬先生が述べているのですが、その背景には何があるのだろう?と思ってしまいます。私自身もメスであり、十分知識を備えてるとは言いがたいのだけれども。
しかし何事にも無知であることは、人生の選択の幅を狭めます。仕事、健康、性、人間関係についても男性任せにせず、自分なりの考えがあれば、それだけ広い視野で物事を見ることができます。 (中略) たとえ勉強ができても、高学歴でも、身体については無知な女性は数多くいます。それというのも日本の多くの女性は、満足な性(生)教育を受けていません。高学歴にもかかわらず、自分の身体の仕組みや女性ホルモンの働きについてはほとんど知識がないのです。
今の知識に対する調査結果からして、学校だけでなく親も子に教えることが十分にできず、それが脈々ときているのもあるのでしょうか・・・・。 産みたくても産みどきを考えると色々と躊躇する、経済的なこと、その前に結婚、と社会的な背景もたぶんに含んでいるでしょう。 子どもをもってももたなくても、更年期を迎え、死を迎えるこの身体はずっと付きまとう中で知らなくてはいけないことはまだまだいっぱいあるのだなと感じました。