「<おんな>の思想 私たちは、あなたを忘れない」
こわごわ、読みました。 こわごわ、というか、きっと「思想に関すること」で難しいだろうなと思いながら。 Webで連載されていた上野千鶴子さんによる「おんなの本」を読みなおすの連載もちょっと見てたのもあり、実際に田中美津さんの「いのちの女たちへ」を読んだのもあり(いのちの女たちへ & かけがえのない大したことのない私)、読んでみようかと。
<目次>
第一部 <おんなの本>を読みなおす 戦後日本の文脈に「知」の扉を開いた日本女性作家5人 ~フェミニズム源流の再読で甦る<おんなたち>の系譜~
●産の思想と男の一代主義 ──森崎和江『第三の性』
●共振する魂の文学へ ──石牟礼道子『苦海浄土』
●リブの産声が聴こえる ──田中美津『いのちの女たちへ』
●単独者のニヒリズム ──富岡多惠子『藤の衣に麻の衾』
●近代日本男性文学をフェミニズム批評する ──水田宗子『物語と反物語の風景』
第二部 ジェンダーで世界を読み換える 20世紀の思想に「知」の軌跡を刻んだ海外作家6人 ~ジェンダー論の再考を促す想像力への視点~
●セックスは自然でも本能でもない ──ミシェル・フーコー『性の歴史Ⅰ 知への意志』
●オリエントとは西洋人の妄想である ──エドワード・W・サイード『オリエンタリズム』
●同性愛恐怖と女性嫌悪 ──イヴ・K・セジウィック『男同士の絆』
●世界を読み換えたジェンダー ──ジョーン・W・スコット『ジェンダーと歴史学』
●服従が抵抗に、抵抗が服従に ──ガヤトリ・C・スピヴァク『サバルタンは語ることができるか』
●境界を攪乱する ──ジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』
やっぱり難しい。何が難しいかということを表現できない難しさがあるけれども、学問としての前提がないせいだろうか。それでも腑に落ちる箇所は何点かあって、そこは上野氏の取り上げた本に対する解説のおかげだと思う。 先日、日経ビジネス(web)に掲載された「サンドバーグがマークに泣きついた夜 世界で話題を集めた『リーン・イン』の著者に聞く」を読んだり、安藤美姫選手の出産を「あなたはこの出産を支持しますか?」というような週刊誌のアンケートの話題をみかけたりと、これらで語られる「女性というもの」「子を産み育てること」「仕事をして成すこと」の生きづらさを感じずにはいられないのは、自分が同性だからだろうか。 これから先、どんな本が出てくるのでしょう。 もしかしたらLean Inなど、異性同性からの反応もありながらも、女性自身が発していく「ことば」は増えていくのかもしれない。