地平線のかなたへ
この楽曲集は思い出の歌。 元々、谷川俊太郎さんの「二十億光年の孤独」をはじめとした5つの詩に木下牧子さんが作曲をしたものです。どれも好きで、「春」「ネロ」は特に好き。 歌うことでことばとは、ことばを音にのせるってということを沢山感じさせてくれた3年間でした。 定期演奏会での演奏より、ある市の小さなホールで練習録音されたものが音も出来もよくって、テープからツールを使ってmp3形式にしました。 ウォークマンでお守りのように入れている歌をときどき聴いては、昔体中で感じた歌に励まされることがあります。
サッカーによせて
けっとばされてきたものは
けり返せばいいのだ
ける一瞬に
きみが自分にたしかめるもの
ける一瞬に
きみが誰かにゆだねるもの
それはすでに言葉ではない
泥にまみれろ
汗にまみれろ
そこにしか
憎しみが愛へと変わる奇跡はない
一瞬が歴史へとつながる奇跡はない
からだがからだとぶつかりあい
大地が空とまざりあう
そこでしか
ほんとの心は育たない
希望はいつも
泥まみれなものだ
希望はいつも
汗まみれなものだ
そのはずむ力を失わぬために
けっとばされてきたものは
力いっぱいけり返せ