発達障害に気づかない母親たち
図書館の新刊コーナーにあったのが目にとまって、借りてみました。
著者は児童精神科医で、発達障害に関する著書も何冊かあるようです。
1章 なんだかうまくいかない母親たち
- 子どもをどう愛していいかわからない―子どもと愛着関係を築きにくい
- 感情のコントロールがむずかしい―虐待・DVの加害者・被害者に
- 激情しやすい人が多い―日本の母親に多い「巻き込まれ型」
- 子育てがつらい、負担に感じる―子育てで初めて自分の発達障害に気づく
- 家事を要領よくこなせない―優先順位づけや計画が苦手
- 貯金できない・書類をなくす―何ごともきっちり管理するのが苦手
- 夫婦関係が破綻しやすい―別居や離婚、DV被害者に
- 困っていても助けてもらいにくい―妻をサポートしてくれる夫は少ない
2章 女性の発達障害には特徴がある
- 発達障害と気づかれにくい―“のび太型”は幼少時に見過ごされやすい
- 「女性らしさ」がないといわれる―粗野でガサツなイメージ
- PMS、産後うつ、更年期障害が出やすい―女性ホルモンが乱高下する
- 不安障害、うつ病、依存症になりやすい―サポートが得られず孤立する
- すべてに自信がもてず、マイナス思考―セルフイメージが低い
- 自分を傷つける方向へ行きやすい―リストカット、アルコール、浪費など
- 好きなこと、得意なことには驚くほどのエネルギーを注ぐ
- 他の人にはマネできない独創的なアイデアが浮かびやすい
3章 家族の関係がこじれるとき
- 「毒母」や「モンスターペアレント」は発達障害のせい?
- 一見、よい家庭に見えることの多い“機能不全家族”
- アダルトチルドレンの子育てのむずかしさ
- 発達障害と機能不全家族のダブルハンディがあると
- あるがままに愛情深く育てられれば魅力が生きる
- 負の連鎖を断ち切るために親を許せるか
4章 もっとラクに生きるには
- 夫や親が受け入れやすいのは医師からの説明
- 公的サービスを利用しないのはもったいない
- "星野式根回し"で先生を味方につける
- 祖父母や親戚よりも大切なのは夫婦の結びつき
- 職場の人間関係をよくするためにまずはひとり味方をつくる
- 保護者会やPTAとうまくつき合うために
- あなたのいいところを認めてくれる人を見つける
5章 幸せなお母さんになるために
- 決してひとりで抱え込まない・ひとりで解決しようとしない
- 等身大の自分を受け入れるには相手が必要
- 幸せな家族に共通することとは?
- 低い自己評価、劣等感を捨て去る
- 依存症と向き合っていくときに大切なこと
- 母親のうつは、子どもにうつりやすい
- 薬は強力な味方になってくれる
PHP研究所の本だからなのか、読みやすいボリューム、平易な言葉で読むのにそう時間もかからなかったのですが、「生きづらさが軽くなるヒント」という触れ込みだからそういう構成なのでしょうね。
この本の中にも「(心理的な)父親の不在」そこからつながりやすい「母子密着」に少し触れているところがあるけれども、結局想定される読者は母親であろうし、文中には「お母さんが幸せでないと子どもが」「お母さんが安心していれば子どもも安心する」・・・どうしてもそこに焦点があたるのでしょうね。子どもの不安やつまづきと母親の状態との関係。